side緋色


「じゃぁ柊は後ろの空いてる席な」

 先生が指差した先は窓側の一番後ろの席だった


『はい』


私は先生に言われるまま席についた


『一番後ろの席だなんてラッキーだな♪』


ウキウキ気分の私
自分でも単純だと思うよ…


トントンッ…

肩を叩かれて隣をみると

「ねぇねぇ!私橘怜!怜って呼んで」


すっごい美人さんだ!
スタイルもいいし…うらやましい〜…


『私のことも緋色って呼んでね!』


初めての友達ができて嬉しくなって満面の笑みを返した



「…」


そうすると怜ちゃんはジーっと私の顔を見つめてきた


『ん?何かついてる?』


「ねぇ、緋色って彼氏いる?」


『へ!?』


「いや、だって…可愛いから一人や二人いるのかなぁと思って」


一人や二人って…浮気ですよ…それ


『彼氏なんていないよ!私可愛くないし!!!』


それに今は別のことで頭一杯だしね


「…鈍感だ」


『なんか言った?』


「ん〜何にも言ってないよ!」


『怜ちゃんはいるの?』


「うん。いるよ」


『へ〜怜ちゃん可愛いもんね』


「うん」


…怜ちゃん。軽くナルシスト入ってますよ


会って数分で打ち解けた二人を見て周りは…―



「いいなぁ…俺も話してぇ!!!」


「間近であの笑顔みたい!!!」


「あの子噂では編入試験499点だったらしいぞ」

「すげ〜…」


「完璧だ…容姿もいいし明るいし…」


「「クラスのアイドルだ…」」



一日にして虜になった男子たちだった