薄暗い地下通路を必死に駆ける二人の親子…


『お母さん急いで!!!』


「追え!!二人とも逃がすな!」



親子を追いかける複数の男
その奥で叫ぶボス



バタッ…

『お母さん!!!?』


突然倒れる母親

『お母さん!お母さん!!!』


「私はもう駄目みたいね…緋色…貴女だけは逃げなさい」


『やだよ!!!お母さんも一緒に逃げるの!!!』


そう言って少女は母親の腕を取ろうとした

パシッ…

『え…』

母親は少女の手を振り払った


「このままだと二人とも捕まってしまう…貴女はこの世界にいる超能力者達を助ける鍵なのよ」


『でもっ…お母さんを見捨てて行けないよ!』


「緋色…私の代わりに…みんなを救って…」


『やだ…お母さんが捕まったら…お父さん見たく心のない人間兵器にされちゃうよ…』


「お願い…私たちのような力を持つ人達をあの人と同じ道に進んでほしくないの…」

 静かに涙を流す母親

『お母さん…』


少女は唇を噛み締めた

少女の口から垂れる紅い血


『…分かった。私…行くよ…超能力者の人達を助けてプリズムを見つけて…必ず…必ずお母さんを助けるからっ』


だからっ…そう言って口を固く結ぶ


「ありがとう…緋色…」

「いたぞ!!柊緋色を捕まえろ!!!」


「さぁ…これを持って行きなさい!」


母親はそう言って娘に紅く輝く石のついたペンダントを渡した


『これっ…お母さんが大事にしていたお守り…』


「この石はプリズムの欠片よ…ここに私の力を託したわ…きっと…きっとあなたの力になってくれるわ…」


『お母さんっ…』


二人はきつく抱き合うと少女は貰ったペンダントを首にさげ走り出した


『必ずっ…必ず助けるからね!!!まってて!!!』



そう言って少女は闇の中へ消えていった…


「くそっ…早く娘を追え!!!母親は地下牢にでもいれておけ!!!」


「あの子に…神の祝福を…」