「良かったぁ。じゃぁ私達はこれで。ほら陽夜いくよ!!」



俺がそう答えたことにより心底安堵した彼女はもう一度俺に頭を下げて

女の子を引っ張って食堂を出て行ってしまった。


出て行く途中、彼女の怒鳴り声と女の子の声が耳にはいり驚いた。


「全くあんたは神宮寺先輩にぶつかるなんて何をしてるんだよ!!」

「ケーキ食べ損なったぁ。」

「をい陽夜!!聞いてんのか!!」


「ん?聞いてるよ?『神宮寺先輩』って誰?」

「あんた知らないの!?」

「うん。あー!!今日D灰新巻発売日じゃん!!いっそげー!!」

「こら陽夜!!」





「お前のこと知らない女子いたな…。」


友達が肩を叩いて言った。


「……あぁ。」


頷くだけ。


この時に俺は多分既に恋に落ちていた。


だからヒトメボレ。


俺が恋心に気付いたのは翌日の昼休み。


また食堂でタワーのような食事をしていた女の子をみて、


そのこの幸せそうな笑顔を見て気が付いた。


のちに友達から得た情報によると女の子の名前は結城 陽夜(ゆうき やや)。


四月に編入してきた二年生らしい。


その小さな体型と可愛らしい声と似つかわしくない大食いで二年の間では結構有名らしかった。


特に男子に。


それを聞いた時に俺は心底驚いた。


あの小柄の何処にそんなにはいるのかと。


それからぶつかった時に分かったことなのだがめちゃめちゃ軽い。


そう。


軽かったのだ。


だから尚更驚いた。


それから、それと同時に彼女にしたいと強く思った。