次に意識が戻ったのは再び保健室でだった。


数回瞬きをして起き上がる。


丁度ベッドが窓際にあり、外はオレンジ色に染まっていた。


「私…。」


神宮寺先輩が運んでくれた。


誰に言われなくとも分かる。


そう思った途端に鼓動が速くなる。


困ったなぁ。


どうやら風邪は思っているより酷いらしい。


ベッドから降りる。


すると体のあちらこちらに絆創膏や包帯が巻かれていた。


「は…はは。」


苦笑する。


痛みは大分抜けてるみたいであまり痛くない。


けれど足に体重を乗せるとズキリとくる。


やれやれである。


そういえば、奈々姫はどうしただろうか。


それに先輩も。


「ありがとうございました。」


????


奈々姫の…声?


「いや、それより稲川さんは大丈夫?」


今度は先輩の声だ。


「えぇ、心配無用、お気づかいなく。」


私は二人の声が聞こえる方に近づく。