「わ…ワタシハ…」


目がグルグル回る。


怖いより恥ずかしい。


緊張よりもっと上。


実際の処、また後でなんていっておいてあんまりよく覚えていない。


ただ覚えているのは先輩の優しい顔。


もっと話したいのに息ができなくてもどかしい気持ちだけ。


次に意識がはっきりした時はチャイムがなった後だった。


今、何時間目のチャイムがなったの…?


「おそよう結城 陽夜。(ゆうき やや)」


ふえ?


横から声がした。


そこにいたのは奈々姫。


「今…何時間目…?」

まだぼーっとする。


「6限始まった所。」


6時間目かぁ。


随分寝てたんだな。


「よいしょ。」


起き上がった。


さっきよりもしっかりしてはっきりする。


「うん、言い顔してる。大丈夫そうね。」


奈々姫は私が起き上がるなり額に手をあて熱を測る。


どうせなら先輩にやってほしかったな…。


え?今私何を思った…?


うっそ!


そんな、まさか!!


「教室戻ろっか!」


そう言うなりよいしょと私をベッドから下ろして髪を整える奈々姫。


ほんとお母さんだ。


「何ニヤニヤしてんのよ。」

「べっつにぃ。」


うっふっふと笑う。


「ほれ行くぞ!!」

「ほーい!!」


手を上げて奈々姫の後についていく。


と…


ドンッ…-


?????


「ごめん…。」


前を歩く奈々姫とぶつかった。


ぶつかった時に鼻をぶつけたので擦りながら謝った。


「奈々姫?」


しかし奈々姫の反応がない。


いつもならここで何か仕掛けてくるのだが無反応。


てか、腕が上がり私を守ってるように見える。


「奈々姫??」

「あんたは下がってな。」


明らかに怒ってる声。


どうしたのか。


奈々姫の後ろからちらりと見てみた。


!!!!!!!


「そこ、退いてくれないかな?」