事実、疑いの目は消えたに等しい。
 キュアにかけられる目である。やはり、二人になったからであろう。
 さて、これからどうする。ジンは考えた。
 今日は生憎の雨である。今日中に国境を越えることは難しい。となると、だ。どこかでもう一泊しなければならない。この先にあるのは、宿場町とは名ばかりの色町である。姫をそんな所へお連れする訳には……などと言っていられない、か。進むしかない。
 ジンは胸元に隠れているペンダントをきゅっと握った。



 雨か。
 これで警備も手薄になってりゃいいんだが。
 大きな木の陰で雨宿りをしながらセントは思った。ここで愚図愚図していても何も進まないので、城へ向かう。雨でも大通りには相当の人数が警備に配されている。森の中の泥濘を行くしかなさそうだ。でも、ただ進むだけじゃつまらないから、たまに大通りに出て二三人相手してやってもいいかな。なんて。
 いやいや。