しばらく泣きました。不安など、そういった気持ちの前に、一緒にいられないことが悲しかったのです。ジンの胸は知っている匂いで、とても安心しました。
 私が「セント……」と声を漏らすと、ジンは私に回していた両の手に少し力を入れて抱きしめてくれました。彼も何か不安なのだろうと思いました――

「ありがとう、ジン。もう大丈夫」
 体から離れる。赤くなった目。ちゃんと冷やさなきゃ……。

「戦力は、減りました」
 ジンは断言する。
「うん」
「改めて、ここに誓います」
 ジンは息を大きく吸った。蒼い目。優しい目。
「私は命に代えて、あなたを守ります」
 物心つく前から私の傍にいた人。

「だからあなたは生きて下さい」