涙は頬を伝う。何故の涙か。見つめる。輝く緑色の髪を持つ、その人を。

「これが」

 セント。

「俺のできる、あなたの守り方の最善策なんです」
 そしてキュアの前にひざまずき、手を取る。
「幸運を祈っています。姫様」
 そっとその甲に口づけをした。

 セントは立ち上がったが、キュアは顔を上げることが出来ない。
「頼んだぞ」
「ああ」
 とジンとセントが言葉を交わしている。やがて、足音が聞こえた。駆け出したセントの背中に、キュアは顔を上げて言った。
「城へ行ったら、ロビン・スージェという人を探して。鉄色の髪をした男よ。彼が、あの薬を作ったわ、きっと……」
 随分小さくなったセントは片腕を上げた。承知。