「よかった。目が覚めたのね、レオ。」



な、なんでアンナがここに??
俺は都合のええ夢を見てるんか??




目の前に巻き起こる状況が理解できずに目をシパシパさせていると




「事故のすぐ後ね?病院の看護婦さんからお電話があったのよ。」


「…え??」


「電話の通話履歴の一番上に私の名前と番号があったから。
きっと知り合いに違いないと思って、私に連絡を取ってくださったの。そだから……私からレオのお父さんにもご連絡したのよ?」




そう言って
アンナはニッコリ笑って
俺のベッドの隣にあるパイプイスに腰掛ける。




「いや~助かったわ。
アンナさん、病院の手配から何からしてくれはってな??この個室かて、アンナさんが手続きしてくれたんや。
感謝しいや、レオ!!」




オヤジは頭をポリポリかきながら、アンナに感謝の言葉を口にする。





え……
アンナが手配??




俺やってアホやない。
大部屋と違って個室を借りるんは値段が高いって、知っている。





そんな金…
あんなボロアパートに住んでるアンナが工面できるはずがない。




ってことは……
この金を出してくれたのって……





俺が一つの答えに行き着いたとき
アンナはコクンと頷いて




「この個室のお金は…譲さんが出してくれたの。
“ボクの小さなライバル君に礼を欠いたらきっと僕は後悔するから”……って……。」





そう言って
申し訳なさそうにうつむいた。