ボクがキミをスキな理由【短編集】



――え……??



その言葉に驚いて、その男性の方を見るとマスターが空いている席に誘導する最中だった。




後ろのカウンターではなく、素敵族の座るテーブル席に誘導される、その男性。



周りの人を気遣いながら、席に座りドリンクを注文すると、その男性はとても熱っぽい瞳でアンナを見つめる。




アンナも…
その人の顔を見つけた瞬間、信じられないという表情をして目を見開く。





その瞬間、
俺はアンナの言っていた“あの人”はこの人なのかもしれないと思った。





アンナにジャズの魅力を教えたのも
イイオンナに育て上げたのも
もしかしたらこの人なのかもしれない



直感でそう思った



だって…
よく似てるから。



アンナが俺に教え込んださりげないしぐさや、立ち振る舞い



その全てが…
恐ろしいほどに彼にそっくりだったから。