ボクがキミをスキな理由【短編集】



Tシャツにジーンズ
ナイキのシューズに
いつもどおりの黒縁めがねと
ボサボサの長い髪




イケてるとは言いがたいカレは
優しくて、大好きな
私の自慢のカレ。





「ありがとう、星野さん。
ホントは俺きつかったんだ、ああやって力入れてるの。」


「ほんと?」


「ほんと、ほんと。
だって俺勉強だけがトモダチのひ弱ボーイズだもん。」





カレの外見は確かにいけてるとは言いがたい。





でも…
こういう素直で優しい
思いやりのあるところが
私は本当に好きだと思う。





それに…
素肌に近い形で抱きしめられた
カレの腕は、ひ弱なんかじゃ全然なくて…





意外と引き締まってて
逞しかった。





スポーツマンみたいにムキムキの体では決してないけれど…
程よく整った筋肉にドキドキした。





一度、ちゃんと見てみたいな…
カレの体。


きっとキレイにちがいない
きっとドキドキするにちがいないよ…




…って!!
私、何考えてるの~!!?




エッチだ!!
私、すっごくエッチだ~!!





そんなふしだらなコトを考えてた自分が無性に恥ずかしくなって、急に体温が急上昇してしまう私。





――どうか成宮君には気づかれませんように…!!!




その淡い祈りは





「またおかしなこと考えてるでしょう、星野さん。」





呆れたようにクスクス笑う
カレの言葉にアッサリと崩れ去る。