ボクがキミをスキな理由【短編集】



「だ、だって、困った顔してから!!
きっと私、成宮君のイヤなことしちゃったんだなと思って…!!」



半泣きになりながら訴えると
カレはまたトマトみたいに真っ赤になって




「ヤバイ…
かわいすぎでしょ、星野さん…」




そう言って
私の体を更に強く抱きしめた。







カレの体からは少しフルーティーな香水のニオイがする。




鼻先をくすぐるその香水と
意外に逞しいカレの腕に



ドキドキしながら彼の言葉を待っていると、成宮君は私の頭に自分のアゴをポンと置いて





「イヤなんかじゃないよ?ただこう密着しちゃうと、ドキドキしすぎて困るなと思っただけ。」




そんな予想外に甘い言葉をカレは呟く。







「…え!?」


「ゴメン。
俺の態度が星野さんを不安にさせてたんだね。
星野さんは何も嫌なことなんてしてないから、安心していいよ?」