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「へ~ぇ、それで尻尾巻いて帰って来たってワケ。」
「うるさいな!しょうがないだろ!?」
あれから1週間
いつものように配達に訪れた
晃(コウ)兄ちゃんのクラブで
俺はこんな風に兄ちゃんに
イジられていた。
開店前のクラブは人がいなくて
閑散としていて。
晃兄ちゃんを含めたスタッフの何人かと
音響、映像スタッフが
なにやら気だるそうに
開店準備を始めていた。
頼まれていた酒をバーカウンターの奥にドガっと置くと
「ま、亮介には過ぎたオンナだった…ってコトだな。」
そう言って、晃兄ちゃんは持っていたタバコに火をつける。
「は?どういうこと??」
なんだか人をバカにしているような
その口調にカチンときて
ギロリと睨むと
「だってそうだろー?
あのコが尻軽そうってのは、
薄々オマエも勘付いてたコトだろうが。」
くわえタバコをして
ニンマリした顔のまんま
晃兄ちゃんはサラッと
こんな酷い言葉を口にした。



