安達と俺に接点なんてほとんどない。
1年の時以外は同じクラスになったこともないし、同じ部活でもない。特別仲がよかったワケでもなければ、帰り道が同じだったワケでもない。ましてや同じ小学校だったワケでもない。



ただのクラスメイト。



俺と安達の間にはそれ以上の付き合いなんて一切なかった。



自分で言うのもなんだけど俺はフツーに顔も良くてバスケ部期待のルーキー。


学校の中でも割と目立つ部類の位置にいる俺とは違って、安達は地味で大人しくてあんまり目立つタイプではない。


なんでそんな女に!?


って思われるかもしれないけど……。興味を持ったのは他愛のないこと。



ホント………。
なんでそんな所でって思っちゃうけど…。



◆◆


「あっ!!待って、モモ!!」


ある日の放課後。
俺の尊敬するバスケ部の先輩、水原龍河(ミズハラ リュウガ)が安達の名前を呼び止めた。


水原センパイが呼び止めると安達はチョコチョコと子リスのように、真ん丸な目をして無邪気に俺たちの近くに来る。



「リュウくん、なあに?」

「モモ。
後でお前んち行くから準備してろ。」


「えーっ!!???
なんでっ!!!!???」


「お前んちの母ちゃんに言われてんだよ。
モモの勉強みてやってくれ…ってさ。」


「えーっ??!!!
そんなぁ~~~!」