「亮…ちゃん??」
絶望したような
苦しそうな瞳を俺に向けて
すがるような顔して
俺を見つめる、レイさん
きっとオトナな男ってヤツなら
『過去なんて関係ない
俺は今のレイさんが好きだよ』
とか、なんとか言うんだろう。
でも…
俺にはムリだ
レイさんはこのルックスだから、過去に大勢のカレシがいたとしても不思議じゃない。
それは何度も何度も自分に言い聞かせて、納得しようと努力してきた。
小さい器のこの俺でも
そのくらいの努力はしてきたつもりだ。
でも……
不特定多数となると話が別だ。
好きでも何でもないヤツが
レイさんのカラダを知ってるかと思うと
嫉妬で苦しくて
死にそうで、泣きたくなる。
俺の知らないレイさんを
その他大勢の男が知ってるかと思うと
怒りでカラダが震えてくる。
「ごめん、頭冷やしたいからちょっと離れて。」



