「へ??」


どこまでものん気でお気楽な俺が
しょーもない顔して聞き返すと




「ノブの言ってた事は、
ウソじゃないの……」





真っ青な顔をして
今にも泣出しそうな顔をして
レイさんは俺の上着の袖を
ギュッと握りしめる。





「は…??」




レイさんの言っている
言葉の意味がわからなくて
足を止めたまま
キョトンとした顔のまま訊ねると




「ノブの言ってたことはウソじゃないの!!
私……、クラブで出逢った人と何度か
そんな風になった時あって……」




レイさんは
こんな聞きたくないことを
苦しい顔して話し出す。





「私…あの頃は誰でも良かった。
この淋しさを埋めてくれるなら誰でも良かったんだよ…」




そう言って
レイさんは俺の袖を掴む力を更に更に強くした。