ボクがキミをスキな理由【短編集】

亮ちゃんにとっては寂しく恥ずかしい一言。
でも私にとっては、天にも登るほど嬉しい一言。



その一言を聞いて更に浮き足だった私は


「じゃあ、尚更好都合じゃない♪」


亮ちゃん目掛けて渾身のウィンクをお見舞いした。





「期限は1ヶ月。
その間に亮介くんに好きな子ができたらアッサリスッキリ別れてあげる。
1ヶ月だけでいいから私と付き合って??」






いつもなら。
普通のオトコならイチコロのこのウィンク。

でも目の前にいるピュアボーイはなかなかどうして強敵で。





「で、でも!!
それじゃあ、俺の方が都合よすぎねぇ!?そんな失礼な条件、飲むわけにはいかねぇよ!!!」



なーんて男らしいコトを言っちゃって。
本能よりも欲望よりも理性を優先する亮ちゃんは、なかなか悪魔の誘いに乗っかってきてはくれなかった。