車が走りだし、うつろいゆく景色の中であたしの心は不思議な感情に左右されていた。





何なんだろう、アノコ。

きっと年下なんだろうけど…、あたしの知ってるオトコとは全く違う。




不器用なくらいにまっすぐで、飾り気がなくて…

だけど私を助け出してくれるような強さも持ってて…。




ひどくアンバランスで魅力的。






大人なような少年で

少年のくせにちゃんとオトコ。







変だ、ワタシ。

オトコなんて吐いて捨てるほど知ってるし、恋なんて飽きるほどしているハズなのに…

彼が気になる。








出会ってからまだ数時間しか経っていない彼が気になる。






もう一度会いたいと

ゆっくり話をしてみたいと思ってしまう。



この気持ちはなんなんだろう……。







タクシーを降りて自宅のベッドで横になっても、テレビをつけても。

頭の中は…亮ちゃんでいっぱいだった。