何、それ。

そんなにメーワク?

俺の存在だけじゃなく、俺の好意すらもメーワクなわけ?


こんなんになるなら…告白なんてしなきゃ良かった。安達を独り占めしたいなんて思わなきゃ良かった。あの日……安達に恋なんてしなければよかった。


目の前の安達のこの表情をみて、ショックを受けないヤツがいるなら教えて欲しい。胸の中にあるのは後悔だけ。好きなやつにこんな顔されて平気な顔ができるほど、俺はオトナなんかじゃなかった。


「そっ…か。
メーワク…だったんだな。
困らせて…ごめん。」


耐えきれなくて。それ以上安達の前にいることが耐えきれなくて。


そのまま、尻尾を巻いて逃げようと体を翻すと


「ち、違うの!!!
迷惑だなんて…思ったことないよ!!
いつも、いつも、嬉しかった。市橋くんがくれる優しさがいつも嬉しかったんだよ!?」


そう言って、安達はその大きな目に大粒の涙を溜めていた。