ボクがキミをスキな理由【短編集】



成宮くんと二人。
一緒に並んで歩いても葉月や弥生みたいに、無邪気にくっつきながらじゃない。二人の間には人、一人分のスペースが開いた微妙な距離感がある。


嬉しいのに恥ずかしい。

恥ずかしいのにくっつきたい。

この不思議な感情の名前は何なんだろう。



「何だか日が暮れるのが早くなったね。」

「うん、もう12月だもん。お外はすぐに暗くなっちゃうね。」


そう言って彼を見上げると、私は成宮くんの耳の後ろに茶色い小さなホクロがあるのを発見した。


「…あっ。」


思わず声をあげると


「何?なんか変なモノでも見つけちゃった?」


クスクス笑いながら、成宮くんが私を見つめる。