「ふう……」


ため息をつく。とりあえず半分は終わった。
ずーっとホチキスを使っているせいで、手首が痛くなってしまった。

庶務という仕事は主に雑用係。地味子である私にぴったりかもしれないが、かなりハード。生徒会は色々仕事やってるな程度しか認識していなくて、庶務という仕事を半ば馬鹿にしていた。

地味でも、生徒会役員なのだ。

軽く手を揉み解し、気合を入れ直す。
あと半分、ラストスパートだ。


「これ……間違ってる」


「ほえ?」


隣で声変わりもしていない男の声がした。見ると、金髪の美少年が私の資料をチェックしていた。


「2年と3年の資料が混ざってる。しかも、全部」


「ええっ、嘘ぉ!?」


パラパラめくると、確かに2年と3年の資料が混ざり合っている。これは総てシンを外してやり直さなければならない。


「そんな……始めからやり直し……」


ガクッとなった。やっと半分終わったと思ってたのに。


「……大和さんに選ばれた人だから、優秀な方だと思ってましたけど、結構抜けてる人なんですね」


カチンッときた。外見は女の子みたいに可愛いけど、毒吐きだった。
会長と同じく、見た目と口にギャップがある。


「今、僕の作業終わったんで手伝います」


「あ、ありがとう……。えーっと……」


「僕は書記の等々力アルターレです。2年生です」


2年生だったのか。小柄で童顔だからてっきり同い年だと思ってた。


「背が低いの、気にしてるんです」


ビクッとした。心の中読まれてる!


(やっぱり、会長と同類⁉)


それだけでビビッてしまい、警戒心が湧く。