「ちょっと、何・・・・」


「・・・何してるんだ」


「く、椚先輩!」


腕を引っ張ったのは椚先輩だった。


「どうしてここに・・・・」


「・・・お前は俺と結婚するんだろ」


「はあ!?」


まさかのプロポーズ。しかも無表情という真顔で言ってきた。
こちらの眼も真剣そのもの。


「でも私、副会長と・・・・」


何だろう、椚先輩とも一緒になりたいという気持ちが生まれてきた。


「・・・さっさと行くぞ」


問答無用と、椚先輩は私をお姫様だっこする。
この体勢でいざ、バージンロードへ・・・・。


「待ってください」


また私の前に、次なる人物が現れる。


「もとかさんと結婚するのはこの僕です」


白のタキシードに結婚行進曲を奏でるアル君だった。
そっと私の手を引く。


「僕と一緒に、楽しいハーモニーを奏でましょう」


彼らしいプロポーズ。


私の前に三人の男。三人ともかなりの良い男。
その中から一人を選べと?


「僕だよね」


「・・・俺だ」


「僕ですよね?」


究極の選択だ。


(まさか、人生のうちにもてすぎて困っちゃう日が来るなんて・・・・)


「・・・・・何をしてる」