「先生、ホントに免許持ってるの?」 と問いかけると、ショルダーバッグからパス入れを取り出し、こちらに差し出した。 「先生……写真写り悪いね。へえ、**年生まれ……若いね」 間髪入れず、 「母よ」 と言う。 「偽装? いやこれ詐称問題」 「うそですー……私、ごく限られた領域内でしか運転できないから。というより今の職場に就くために免許とったし。道も近所しか知らないし。まさかこんなことになるなんて……本当にごめんなさい」