疵痕(きずあと)



「君たち、保護者?」


 エンジェル・キシモトが尋ねると、二人は無言で、この狭い空間で腕組みをした。


「困ったわ。私は彼を送り届けたあと、また大学へ戻らなくてはならないのよ」


「大丈夫」


 ジョーの奴本気か?


「おれたち、住んでますから。大学に。なっ鏑木」


「マジでな。シシッ」
 

 変にすごんでいる。


 ハハア、こいつらキシモト先生をとられたくないんだな。