疵痕(きずあと)



「ふう」
 

 と、医務室のエンジェル・キシモトが嘆かわしそうに、ため息をついた。


 それだけで周囲は悪心をくじかれかねない美人さんのことだ。


 彼女のそれは、俺たちをしゅんとさせるだけの効果があった。


「ねんざは癖になるわよ。ちゃんとお医者さんに診せて」