「鏑木(かぶらぎ)、今度はオトコノコなの?」 サダはいや、ジョーは俺じゃない誰かに尋ねていた。 鏑木……一回聞いたら気づくよな。 俺の高校生の時の、いや、中学の時は確か、同級生だった男だ。 毎回成績上位に位置するやつとこんな再会を果たそうなんて、思いもしなかった。 相手はもっとクールで、中学から高校の一年まで一緒だった俺なんかのことには、最初から気がついてなかったようだが…… 大検、とったと風の噂で聞いていた。 それがなぜ美大なのか……ますますわからない。