よ つ の は

「ぅん、私もっ! 今度はどこに行こっかなぁー。 今からすっごく楽しみっ!」

「ははっ、サクラは気が早いね」

「だってー、今度はいつになるのか決まってないんだもん…
ちょっと寂しいだけ…」

「サクラ… 」―

―… ギュッ…
「ぁ… っ  」


私の全身を包み込む ミヤビの体温…

ミヤビの胸元から聞こえてくる 少し早い鼓動…

わずかに香る 優しい日だまりのようなにおい…


「大丈夫… これからも俺はサクラとずっと一緒にいる。
どこへも行かないから…
心配すんな… 」


―…ぐすっ
「ぅん…、約束だょ。 ずっと… ずっと私のそばにいてね…」

「うん。 約束なっ… 」



このまま 時が止まってしまえばいい…
私はミヤビの腕の中で、そう本気で願った…。



「サクラ… 泣いてるのか?」

「な、泣いてないもんっ!」

「うそ、泣いてるじゃん」

「ちっ、違っ…―」


―…どきっ!
かっ…、 顔が近いよ…


―ドクン…ドクン…ドクン…

「あ… えっと、 そろそろ家に入るか…?」

「あっ、ぅ… うん! そうだったね! じゃあまた明日…!」

「…ぉおう! また明日なっ…!」


―… カチャ、 パタンっ…―