よ つ の は

―「ごめんねぇ お待たせっ!
はいっ、ミヤビの分のチケット!」

「おう、ありがとう。 えっと、じゃあチケット代を…」

「ううん、いいのっ!」

「いやいや、良くないって。 ちゃんと払うから…」

「いやだー、いらないもーん。
じゃあ代わりに、これからも ずぅーっと私のそばにいてミヤビの愛情をいっぱぁい ちょうだいねっ!」

「そんなの当たり前だよ。 俺は、サクラの事が 何よりも一番大切なんだから」

「やったぁ! その言葉が聞けただけで十分だもんっ!
あっ、映画始まっちゃう!
ミヤビ、はやくはやくぅ!」

「あ… おっ、おい待ってよ!」


まるで夢でも見てるみたい…
こんなにも素敵な人と、こんなにも幸せな時間を過ごしていられるなんて…

私もミヤビのこと、何よりも一番大切だょ。




― ガヤガヤ ガヤガヤ…

「そろそろ始まるかな…」

「ぅん… ねぇミヤビ、 見てるあいだも その… 手、つないでていい?」

―「うん、いいよ」


―… きゅっ…


やっぱりミヤビの手、温かい…
こうしてるだけで、何だかすごく落ち着く…。

ミヤビがとなりにいてくれるだけで、安心する…。


私、初めて“本当の恋”をしたんだ…