よ つ の は

そう言って笑ったミヤビは、いつもみんなの前で見せてるミヤビの笑顔とは違って、まるで“白馬に乗った王子さま”みたいに、キラキラと輝いてた…

ミヤビには聞こえたかな…
私の胸が “きゅん”ってなった音…。



「よしっ! じゃあ映画観に行こっか!」

「あ、ぅん!」

―「はい、手」


少し恥ずかしそうに 左手を差し出してきたミヤビの手は とても温かくて、私は指先から伝わるミヤビの愛情に包まれながら歩いた。

何をしてても楽しい…
何を話してても幸せ…
ミヤビと出会えて、ほんとに良かった。

私、いますごく幸せだょ…。



「ねえ、そう言えば今日って 何が観たかったの?」

「あっ、まだひみつ!」

「えー、いいじゃん教えてよ」

「あはっ、だぁーめっ! 着いてからの お楽しみねっ!」

「なんだそれー、もう着いたしー」

「じゃあ私が チケット買ってくるから、ここで待っててねっ!」

「あっ… ちょっと!」


こーゆう時って、たぶん男の人がお金払ったり、割り勘にしたりするんだろうけど、今日は どうしても私がチケット買いたかったんだぁ。
何でかは、まだまだひみつだけどねっ!

「あっ、学生2枚でお願いしまぁす!」