よ つ の は

2番手で呼び出された俺。

一体どんな処分を言い渡されるのか…

親の気持ちを考えると、情けなさと申し訳ない気持ちで内心 少し入るのを拒んでいた…。
くそ…あんなろくでもないチンピラに関わらなきゃ良かったのに…。

「入りたまえ…」

職員室の中から、地響きのように低い声がする。

覚悟を決め、必要以上に重たく感じるドアを開けた…。

だけど、中に鎮座している先生の表情は 思いの外 和かく、さほど怒りに満ちた様子は無い。

何故だろう…

疑いの晴れぬまま、用意された椅子に座ると その先生から 思いもよらない話しを聞いた…。

「―…
 えっと…黒石君だったかな。入学式早々に騒ぎを起こした事は 確かに良くない事だ。 だがしかし、理由が理由なだけに 今回に限り、処分は見逃してやる。 ただし、今後は二度とこのような事を起こさないように。次は この程度では済まないからな!」

―… ?!

俺は 全く状況がつかめなかった。 何を言ってるんだ? 理由? 理由って何の事だ?

「あの…すみません、良く意味が分からないのですが…」

黙って退室すれば良いものを、余りの状況下で つい聞き返してしまった。