よ つ の は

そこに写っている俺は、軽音部の時に、ライブに向けて みんなと練習をしている時に撮られたものみたいだった…。

俺は窓際のイスに座って、窓の外を見ながらギターを弾いている。
夕方の時間帯だから、窓から夕日が差し込んでいて、少し逆光になっている感じで写っていた…。


「へぇー、よく撮れてるね。
何だか実物よりカッコ良く写ってるけどっ!」


「そっ、そんな事ないですっ! 実物の方が 全然カッコ良いですよっ!」


― そう言って、真っ赤になってうつ向いたサクラちゃんは、またすぐに俺の手から 携帯を奪っていった。

「あ… ありがとう。 そこまで言われると 何か照れくさいけど、嬉しいよ…
でも、何でそんな俺なんか写したのかな…」



お互いに黙ったまま…
波の音が、この沈黙の時間を、すごく長いものに感じさせていた…


―「ほ、本当は… 本当は私、演劇部に入部した日から ずっとミヤビさんの事が気になってたんですっ!」


―…!!
なっ… 何だよそれ…
そんな…  嘘だろ?!

そんな訳ない、あり得ないよ…


―「で…、でもホラっ! サクラちゃんさ、 歓迎会の日に彼氏ができたじゃん!
あれって、入部した次の日だよ?」