よ つ の は

「そんなっ! ぜんぜん迷惑なんかじゃないです!
昨日、彼と別れたり 大切な人を傷付けたりして 心が折れてたから、もうどうしたらいいのか分からなかった…
でも ミヤビさんに優しい言葉かけてもらって、こんな素敵なプレゼントをもらって…

私、本当に嬉しかったんです!」

― やだっ! 私 なに言ってるんだろぅ…

「そ、そっかぁ。サクラちゃんがそんなに喜んでくれたなら 俺も嬉しいよ!
俺なんかで良ければ、言ってくれたら またいつでも連れてきてあげるよ!」

― もぅダメ… 恥ずかしくて耐えられないょ…

「あ、あの… 私ちょっと歩いてきますねっ!」

― あーなんかすごく気まずいよぉ…


ミヤビさんとは 今までそんなに話したこと無かったけど、見た目とは違って 優しい人だったんだなぁ…

何でこんなにも 胸がドキドキするんだろぅ…


ひょっとして私…

ミヤビさんのこと…


―ダメ! だめだょ!
だってミヤビさんには 未来さんがいるんだもんっ…

違う… 違うょ…
この気持ちは、ただ嬉しかっただけだもん…
また昨日と同じことを繰り返すだけだもん…

私は、自分の中で どんどんふくらんでいくこの気持ちを、必死で否定し続けていた…