よ つ の は

あれから どのくらい走ってたんだろぅ…

時間の流れを感じないまま、気がつくと フッと潮の香りに包まれて、目を開くと 辺り一面に広がる海と、夕日に染まり どこまでも続くキレイな空が 私の目の前に広がっていた…。


―「わぁ… すごくキレイ…」

「気に入ってくれた? ここはさ、俺にとってすごく特別な場所なんだ…。
ここに来るとさ、苦しい事や 悲しい事や、色んな嫌な思いを 全て流してしまえるんだ…。 だから今のサクラちゃんにも、この景色を見て欲しくて…
サクラちゃんが また元気に笑えるように、俺からのプレゼント…かな」


― ミヤビさん… 私が落ち込んでるのを心配してくれたんだ…

私、こんなに素敵なプレゼントをもらったのは、生まれて初めてだょ…。

ありがとう、ミヤビさん…

「ぅん、すごく気に入った! 私もね、空を見てると嫌なこと忘れられる。
だから、ときどき夕焼け空を眺めてたんだぁー。 ミヤビさんと同じだねっ」

「そっかぁ、なら良かったよ! 行き先も言わないで 無理矢理に連れてきちまったからさ、迷惑だったらどうしようかなって…」


―… !
迷惑?! 違ぅ… 違うょミヤビさん…
私の気持ち… ちゃんと伝えたい…