―「なぁサクラちゃん… 今からいいもの見せてあげるよ」
「えっ、今からって…」
「いいから、ほらっ…―!」
そう言って ミヤビさんは、私の右手を握り 走りだした…
大きくて、あたたかい手…
その手のひらから伝わる優しさに、私の全ては包み込まれていった…
―どこでもいい…
このままどこか知らないところへ連れ去って欲しかったから…―
「はいっ、コレかぶって!」
「こ、これって… ヘルメット?」
「そうっ! さっ、早く乗って!」
「う、うん…」
バイクに乗せてもらうのは、生まれて初めてだった…
それに、男の人とこんなにも近い距離で乗るなんて…
―ブォン!ブゥン!…
ブブブゥルルルルルッ…―
―私もミヤビさんも、お互い何も話そうとは しなかった…
夕暮れの少し冷たい風と、しがみついたミヤビさんの背中から伝わる あたたかい体温を肌に感じながら、早くなる心音を気付かれないように バイクの振動でごまかして…
そのまま ゆっくりと目を閉じて、まぶた越しに見える夕焼けの光を見つめながら…
優しい背中で、私は少しだけ泣いた…―
あの時ね、悲しかったんじゃない…
嬉しかったんだょ…
「えっ、今からって…」
「いいから、ほらっ…―!」
そう言って ミヤビさんは、私の右手を握り 走りだした…
大きくて、あたたかい手…
その手のひらから伝わる優しさに、私の全ては包み込まれていった…
―どこでもいい…
このままどこか知らないところへ連れ去って欲しかったから…―
「はいっ、コレかぶって!」
「こ、これって… ヘルメット?」
「そうっ! さっ、早く乗って!」
「う、うん…」
バイクに乗せてもらうのは、生まれて初めてだった…
それに、男の人とこんなにも近い距離で乗るなんて…
―ブォン!ブゥン!…
ブブブゥルルルルルッ…―
―私もミヤビさんも、お互い何も話そうとは しなかった…
夕暮れの少し冷たい風と、しがみついたミヤビさんの背中から伝わる あたたかい体温を肌に感じながら、早くなる心音を気付かれないように バイクの振動でごまかして…
そのまま ゆっくりと目を閉じて、まぶた越しに見える夕焼けの光を見つめながら…
優しい背中で、私は少しだけ泣いた…―
あの時ね、悲しかったんじゃない…
嬉しかったんだょ…
