よ つ の は

急いで会計を済まし、カラオケ店のパーティールームのドアを開けると、すでに全員が盛り上がりの最高潮に達していた。

「あーっ! やっと遅刻魔が来たぞっ!」

当然のごとく、全員から散々ブーイングを浴びせられ…
何とかその波をかいくぐり、一番目立たない席までたどり着いた。

―ふぅ…。やれやれ…

「おぅ、遅かったな。何か調べものでもしてたのか?」

そう言って、熊さんがコーラを持ってきてくれた。

「えっ、調べものって?」

「いゃ… 隣の漫喫にバイクが停まってたからさ」

―… この人は何でこんなに鈍いんだ…。俺が漫喫に居るの知ってたなら、呼びに来てくれりゃいいのに…。

「もぉー 遅かったじゃん! せっかくミヤの歌が聞けるって思って楽しみにして来たのにさぁー!」

―?! 今までUK繋がりで顔を合わせても、そんなに話した事も無かった あの未来って子が 急に横に座ってきた。
その後ろには、この盛り上がりの中、少し居場所に困っている様子のサクラちゃんも立っていた。

「アタシね、前にミヤがバンドで歌ってんの見た事あるんだょ。 そん時にアタシ本気で感動したんだぁ。 この人の歌声には、人の心を動かす何かがあるって!」