よ つ の は

―「ここだよ!」

「―… えっ ここ…ですか?」

その時 私の目に飛び込んできたのは、今日一日中 校内を探検していた私でも気付かなかった体育館の裏にあり、適切な表現で言うのであれば『廃墟』としか言えない、部室とは程遠いイメージの建物だった。

「―… えっ…と、『オカルト研究部』とかじゃないですょね… 」

「ははっ、何言ってんのー! さっ 入るよっ」

あっ…! まだ心の準備が…

―…ガチャ!!

「おーっす! UKいるっ?!」

勢いよく入っていった未来さん。


「おー 未来! 久しぶりだなぁ。相変わらず元気だねー。どうしたの 未来の方からわざわざ会いに来るなんて」


中から 男の人の声がする。 さっき未来さんから聞いた 部長さんのUKって人かなぁ…。


「―… えーっと 何だっけ? あっ、そうそう! 実はさっ、イケメンで優し〜ぃUKに お願いがあるんだぁ〜。 私の中学校の後輩が、どうしても この演劇部に入りたいってゆ〜からさっ。

…ほらっ! 何してんの、早く入って あいさつ あいさつっ!」

―… わっ!
未来さんに腕を引っ張られ、無理矢理 部室に引き込まれてしまった…

「―… あっ あの… 失礼しま す…」