よ つ の は

待ち合わせに遅れてきた私を怒ることも無く、未来さんは私にペースを合わせてくれながら、学校までの道のりを 少し小走りで向かった。
起きてから ずっと走りっぱなしで、心臓が脈打つスピードは早く、それと同時に高鳴る期待とが入交じり、私は 呼吸をコントロールする事ができなかった。


―「良かったぁー 間に合ったよ。 じゃあ改めて…
月乃 桜さん、 ようこそ 愛留高等学校へ!」


「こ… ここが愛留高校…」

三週間前まで私が通っていた高校とは、比べものにならない位 大きな校舎…。
真っ白い壁と、校庭には まだ咲き始めたばかりで うっすらピンク色の桜の花が 春風に揺られ、一瞬にして私の心に安らぎを与えてくれた。

今日ここから、私の夢がスタートするんだ…。
何だか色々な事が 一気に起こって、気持ちの整理がつかないな…。
でも、これからは そんな弱音を言ってちゃだめだもんね。 頑張っていかなきゃね。


「―… ほらぁーサクラ! 早く来ないと置いてくよー!」

―…未来さん! いつの間にあんな遠い所にっ…

「ぁー! 待って下さぁーい」


深緑色の青銅で出きた正門を一歩くぐり、…いま 夢に向かって 私の新しい学校生活が始まった…。