よ つ の は

自分では 分かってるような顔して、本当は何も分かってあげられて無かったんじゃないのか?

そのせいで、いったい今まで、どれだけ周りの人たちに 迷惑かけちまってたんだろう…
後悔したって、後戻りなんて出来やしないのに…




「おー ミヤビ、とうとう今日で卒業だな…」

「あぁ…  熊さんか…」

「何シケたツラしてんだよ…
もういい加減、あの子の事は… 」

「俺、分からないんだ…
いったい、どうしたらいいのか…
後悔したって仕方ないのは分かってる…
どれだけ自分が身勝手で、どれだけ人を傷付けてきたかも…
分かってる…  分かってるけど…
けど…、サクラの事だけは 忘れられないんだよっ!」


「ふんっ…、らしくねぇな。
今のお前は、ただの抜け殻だよ。 一年前、あの秋のライブの時に、フォリックや あの子の事を思って駆けつけてきた、あの時のお前は どこに行っちまったんだよ!

なぁミヤビ、もし今のお前が、あの時のお前なら どうする。
ほらよっ、これはお前が持つべき物だ…」

―…!
「こ… これは!」

「サクラちゃんの、初舞台のチケットだ。
行ってこいよ… 行ってお前の本当の気持ち、あの子にちゃんと伝えてこい…」