よ つ の は

「分かったよ…
なぁ良治… 絶対に幸せになれよなっ」

『うん、ミヤビもね 』


― pi



「み… ミヤビ… 大丈夫?」

「ふっ… 何でこうなるのかねぇ…
秋のライブも成功して、やっとこれからって時に…」

「良治さん… バンド辞めちゃうんだね…
でも、ミヤビが私をバンドに誘ってくれたみたいに、また新しく メンバー探せば… 」

「サクラは何にも 分かってないよ… 」

「えっ… 」

「俺はさ、音楽やるのが夢で バンドがやりたくて…
やっとの思いで、今のフォリックを作り上げたんだよ…。
誰でもいいわけじゃない…
今の4人だからこそのバンドだったのに!
そんな簡単に、探せばなんて言うなよっ!」

「そ… そんな…
だって、ミヤビは私の才能を見い出してくれて、バンドに誘ってくれたんだよ?
ミヤビだったら、また新しく才能をもったベースの人を 探し出せるよっ!」

「だから… だからそんな簡単なもんじゃねぇんだよっ!
サクラに俺の夢の何が分かるって言うんだよっ!」