よ つ の は

―…いや、ちょっと待てよ。
あいつ まさかフラれたはらいせに『みなさ〜ん、実はあのミヤとUKは デキてますよぉ〜!』なんてガセネタ言いふらさないだろうな!!?
あー… 明日ガッコ行きたくねー…。


…あれ?
なんだ… いつの間にか もうこんなに暗くなってたんだ。 ちょっと遠回りして帰るか…。



「おい… そこの不良少年…」

―… ビクッ!

「―… な… なんだよ! 熊さんじゃんか…マッポかと思ってビビッたじゃねーか。」

「ったく、気が小せえな…
で、どうだ?うまくいったか?」

「んー… まぁまぁかな…。
あーぁ、やっぱり夜は落ち着くな…。昼間の太陽は嫌いだよ…。何だか俺の心を全て見透かされてるみたいでさ。
それに比べて、この夜の暗闇や静寂は 心を癒してくれるね…。
今の俺の 悲しみも 寂しさも 全部 隠してくれるから…、俺は夜空が好きだ。


けど… 月の光は嫌いだ。どれだけ暗闇が 俺の全てを隠しても、青味がかった 細く冷たい輝きで その全てを暴いてきやがる…。

月さえ無ければ、この時間が一番好きなんだけどなぁ…」

「お前… ヴァンパイアだったのか」

「いやっ… ってゆうかそこ 真顔で言う事じゃねぇし…?!」