よ つ の は

「なぁサクラ… 」

「なっ…、なぁに そんな思いつめた顔しちゃってー?」
私は必死に 動揺をかくした…


「もうサクラも分かってると思うけど、このままだと俺、本番までに退院できないと思う…。
だから、サクラを含め みんなにも伝えて欲しいんだ。
俺の分まで、ライブ成功させて欲しいって… 」


―…!
「や、やだなぁーミヤビってば!
あきらめるのは、まだ早いよっ?
今までだって そうだったじゃん、 ミヤビは私に 何度も奇跡を見せてくれた…
今度も きっと大丈夫だから… ねっ!」

「サクラ… 」

「はいっ、じゃあ分かってくれたなら、ちゃんと安静にしてなきゃねっ!
治るものも 治らなくなっちゃうょおー」

「うん、ありがとう。
でも、一応これだけは渡しておくよ…」

「…? なぁに このカセットテープ?」

「俺のギターパートだけ録音したんだ。
さすがにギター音なしでライブやれないだろうと思って…
またここで弾くと、あの看護婦さんに怒られっちまうからさ、病院の屋上に行って、コッソリ録ってきたんだ。
もしも… もしもの時は、これ 使って欲しいんだ…
サクラの事、俺が誘ったのに…
一緒にステージ立てなくて ごめん…」