よ つ の は

「なぁサクラ…、 今度の日曜日だけど… 海 行かない？
ほら、俺とサクラが 初めて一緒に行った あの海。
何だか急に、またあの景色が見たくなってさ… 」

「ほんとに？！ うん行きたいっ！　実は私も最近、またあの海に行きたいなって思ってたんだぁー。
それに、ちょっとだけ作詞にも行き詰まってたの…
でも、あの大好きな海に行ったら、きっといい詞が書けそうっ！ 」

「良かった。　よぉしっ！ じゃあ今度の日曜日は、海だーっ！！」

「うんっ！　あはっ、やったぁ！」



― 良かった… 少しだけど、元気になってくれたみたいで。
あの海からは、不思議と色々なものを与えてもらえる…
時には勇気や希望、それに 安らぎや答えだったり…
その中でも 一番嬉しかったのは、こうしてサクラが隣に居てくれる事。
またあの海に行って、その事を改めて“感謝”しなきゃな…。



―風が、ちょっとだけ冷たく感じる季節…
この左手をつつんでくれる 優しい温もりが、今の俺には かけがえのない宝物だった…―