よ つ の は

ミヤビが家まで来てくれる間、私には 今の現実が まだ信じられなかった…

もう絶対にダメだと思ってた…

もう二度と戻れないと思ってた…

でもいま…
ミヤビが家まで向かってる…

私に会いに来てくれる…

その事実が あまりにも嬉しすぎて、まるで夢を見ているかのようだった…

ほんとに来てくれるのかな…
もしかしたら、やっぱり来ないかもしれない…

私は、期待と不安に押し潰されそうになっていた…



― ♪♪♪♪♪…

―…!!

― pi…
「も… もしも!」


「ハァ、ハァ、サクラ… 俺、いま家の外にいるから…」

―… !!!
「…み、 ミヤビ!」
部屋のカーテンを開け、窓から外を見ると、そこには 全力で走ってきたミヤビが いつもの優しい笑顔で 私に手を振っていた…

その姿を見た私は、高鳴る感情を抑えることが できなかった…
“いますぐミヤビに抱きしめて欲しい”

勢いよく階段を駆け降り、私は外へ飛び出した…


タッ、タッ、タッ …―
―ガチャ!!

「ミヤビぃー!!」

―バサッ!


私は、無我夢中で そのままミヤビの胸に飛び込んだ。

今… 確かに感じるミヤビの体温に、涙が溢れて止まらなかった…。