「よし!!帰るか!!」 「えっ?でも、まだ退院じゃ・・・・?」 「抜け出そうぜ!」 蒼空くんは、あたしの前に手を差し伸べた。 あたしは迷わず、その手を掴んだ。 そして、走り出す。 あたしの大切な場所へ。 「みんな、優那が帰ってくるの待ってるから。」 「ほんとに?」 「俺、お前と会ったときから思ってたんだ。優那がこの特別寮に来たのは偶然じゃない。俺たちを前にして動じないってことで選ばれたんじゃない。きっと、誰もが優那の笑顔に何かを求めてたんじゃないかって。」 そうだとうれしいな。