お母さんとお父さんはため息をついた。


「優那、よかったね。いつの間に、こんなたくましく成長したのかしら。ね、お父さん?」


「あぁ、安心したな。」


「あのね、優那。あなた、生きてる。意識が戻ってないの。あなたの思いつめていたものがこんな奥にまで迷い込んでしまっていて、戻るのに時間がかかる。もし、あなたが戻りたくないのだったら、連れて行こうって思った。でも・・・・戻りたいのよね?」



「うん・・・・・うん、戻りたい・・・・。」



強く思った。

待っててくれる人がいるから。



「じゃー、戻りなさい。今のあなたなら戻れる。あたしたちも協力する。だから、走るのよ、優那!!」


「もう2度と会えないけど、見守ってるからな。」


「ありがとう、お母さん、お父さん。」


あたしは走り出した。

光の方向へ・・・・・・。