あたしは、部屋に行った。
みんなが家族の話をしているとなんだか愛おしくなってきて。
あたしは、寮に来る前に持ってきた家族の写真を出した。
とても懐かしい。
みんな、笑っている。
どうして、事故なんて起きたのだろう。
あたしは、親の死を受け入れるのに時間がかかった。
みんなの前ではずっと立ち直ったフリをしていた。
でも、それは嘘で。
苦しかった。
辛かった。
「お母さん、お父さん・・・寂しいよ・・・。」
写真に向けて言った言葉はあたしに涙をつたわせた。
こんなにも、
愛おしく思ってしまうのは
愛を知ってしまったから。

