あたしは、わざと明るく振舞う。
「じゃー楽しみですね。」
「あぁ。毎年、楽しんでいるやつらが多いから恒例行事になってるんだろうな。」
賢吾先輩が呟いた。
あたし・・・どうしよう。
あたしには祖父母しかいない。
それに、どちらともあたしのために懸命に働いてくれている。
体が弱いのに。
学年が上がるごとにいつも授業参観というものがあった。
そのとき、歳の差でみんなにジロジロ見られながらもいつも来てくれて。
あたしを生んでくれた親がいないのは寂しかったけど、2人がいれば大丈夫だった。
でも、
今回はどうしよ・・・・。
家族の誰かが病気ってことにして
家に1回戻ろうかな?

