「ねぇ、陽ちゃん、待ってよぉ！」


僕は無言のまま歩き続けた。


「･･･怒ってるの？」


図星を突かれた僕は急に恥ずかしくなった。


「高野先輩かっこよくてよかったな。」


「どうゆう意味？」


「お前を好きになるくらいだからどんな物好きかと思ったけどいい人でそうで良かっよ！」


目一杯の笑顔で答えたら泣けそうだ。


「ひどいよ！」


えっ？


先に泣いていたのは佳菜だった。


その意味が理解できずにいる俺に背を向け戻ろうとした佳菜が歩きだした瞬間。


ーガタガタガター


立てかけてあった材木の束が崩れ落ちてきた。


「佳菜ー！！」