ストロベリーフィールド

「和希はね、ずっと…彩ちゃんのことが、好きだったんだよ」


言葉が出なかった。

次の瞬間には、そんなのあり得ないという思いと
そうだったんだという思いが混ざり合った。


いつでも私を支えてくれた和希。

たった一度だけ着た、白いワンピースを覚えていた。


そうだ…。
私、本当は和希の気持ちに気づいてた。

だけど、認めたくなかった。
今の関係が心地よくて、壊れるのが怖くて
気づかないフリをしてた。


「翔くんはずっと、和希が好きだった。 だから、自分を好きな彩ちゃんを、気持ちを隠して支えてる和希を見ていられないって、そう言ってた」




葉月のその言葉を聞いた後のことは、よく覚えてない。
頭が真っ白になって、その日はただ、呆然としていた。