その時私は思った。
私は翔に何を望んでいるんだろう。
ずっと友だちとしての翔と接して来た。
和希と、三人で過ごす時間は最高に楽しい。
だけど、私が望んでいるモノとは違うように思えた。
きっと……翔に恋してる。
「寄っていかないの?」
家の前に着き、自転車を降りると振り返った。
「あぁ。たまには親孝行しねーとな」
和希は笑顔で手を振り帰って行った。
「親孝行か……」
つぶやきながら玄関を開けると、和希はすごいスピードで家の前まで引き返してきた。
「どうしたの?」
「海!二週間後の水曜な。朝、迎えに来るから」
「うん、わかった」
メールで済む事を、わざわざ引き返してきて言う和希がなんだか可愛かった。
部屋へ入るとベッドに倒れ込み、真っ白な天井を眺めた。
そして、翔の事を想っていた。
いつから、翔に"友だち"以上の事を求め始めたのか
今の想いが、本当に"恋"なのか、正直わからない。
だけど、翔を好きになってはいけない気はしていた。
今まで築いてきたものが全て壊れてしまうかもしれない。
今までのように、和希と三人で笑い合えなくなってしまうかもしれない。
そう思うと、怖くて仕方なかった。
翔は、私がどんなに想っても振り向いてはくれない。
だったら、友だちでいる方がいいのかもしれない。
そんな想いを巡らせていると、あっという間に日は暮れていた。
「彩、ご飯できたわよ」
階段下からの声に体を起こし、ゆっくりと階段を下りた。
テーブルに並べられた食事を見ながら席につくと、ママは口を開いた。
「彩、夏休みだからってフラフラしてるけど、進路はもう決めたの?」
久しぶりに見る不機嫌な顔は、益々私から元気を奪っていく。
「まだ。決めなきゃいけないことくらい、わかってるよ」
「わかってるって、いつもそればっかりじゃない。自分の状況、ちゃんとわかってるの?」
ママは堰を切ったように喋り始めた。
なのに私は、ママの言葉を聞き流し、次から次へとよく言葉が出てくるものだと、感心していた。
私は翔に何を望んでいるんだろう。
ずっと友だちとしての翔と接して来た。
和希と、三人で過ごす時間は最高に楽しい。
だけど、私が望んでいるモノとは違うように思えた。
きっと……翔に恋してる。
「寄っていかないの?」
家の前に着き、自転車を降りると振り返った。
「あぁ。たまには親孝行しねーとな」
和希は笑顔で手を振り帰って行った。
「親孝行か……」
つぶやきながら玄関を開けると、和希はすごいスピードで家の前まで引き返してきた。
「どうしたの?」
「海!二週間後の水曜な。朝、迎えに来るから」
「うん、わかった」
メールで済む事を、わざわざ引き返してきて言う和希がなんだか可愛かった。
部屋へ入るとベッドに倒れ込み、真っ白な天井を眺めた。
そして、翔の事を想っていた。
いつから、翔に"友だち"以上の事を求め始めたのか
今の想いが、本当に"恋"なのか、正直わからない。
だけど、翔を好きになってはいけない気はしていた。
今まで築いてきたものが全て壊れてしまうかもしれない。
今までのように、和希と三人で笑い合えなくなってしまうかもしれない。
そう思うと、怖くて仕方なかった。
翔は、私がどんなに想っても振り向いてはくれない。
だったら、友だちでいる方がいいのかもしれない。
そんな想いを巡らせていると、あっという間に日は暮れていた。
「彩、ご飯できたわよ」
階段下からの声に体を起こし、ゆっくりと階段を下りた。
テーブルに並べられた食事を見ながら席につくと、ママは口を開いた。
「彩、夏休みだからってフラフラしてるけど、進路はもう決めたの?」
久しぶりに見る不機嫌な顔は、益々私から元気を奪っていく。
「まだ。決めなきゃいけないことくらい、わかってるよ」
「わかってるって、いつもそればっかりじゃない。自分の状況、ちゃんとわかってるの?」
ママは堰を切ったように喋り始めた。
なのに私は、ママの言葉を聞き流し、次から次へとよく言葉が出てくるものだと、感心していた。
